わたしと、あさきゆめみしと、宝塚


「源氏物語」・・・私が初めてこの本を手にしたのは、小学校の図書館だった。 当時、NHKっ子だった私は、大河ドラマにはまってて、特に、源頼朝北条政子 の時代を描いた「草燃える」が大好きだった。そう、源氏物語を文字どおりこの鎌倉源氏の 物語だと思いこんで借りてきたのである。なんか、違うなって思って、結局読まずに 返したんだけど。また、前後ははっきりしないけど、テレビドラマで沢田研二さんの 「源氏物語」をやったんだけど、これも、やはり私の知ってる源氏ではないなと、 子供心にも見てはいけないものと判断したのであった・・・

はるか遠い昔、平安の都、宮中、そこでくりひろげられた貴族の社会、恋愛絵巻。 そういうものに憧れたのは高校の頃だった。 古典が好きで好きで、他の科目の受験勉強もしないで古典ばかり勉強していた。 よく、近所の県立図書館に受験勉強に行ったんだけど、ちょっと休憩のはずが、ほとんど平安関係の本を読んで終わってしまっていた。

「いづれの御時にか・・・」そしていつのまにか、源氏物語と再会していたのである。 でも、実を言うと、原文にしろ、口語訳にしろ純粋な「源氏物語」を読んではいない。 現代の作家や学者の方々が書いたものを読んだにすぎない。 また、大学も文学科だったので、1年間を通して古文解釈の勉強はしてきたんだけど。 本当の意味で「源氏物語」を読みこなしてはいないのである。 それは、平安王朝への憧れは揺るぎないけど、私の興味がしだいに、作り物語から、日記文学にかわっていったことにある。「建礼門院右京大夫」や「後深草院二条」といった、 文学史では中世に分類される女性達にひかれていったのだ。彼女達にとっても 「源氏物語」の世界は既に過去の文化なのであった・・・

「あさきゆめみし」を読み始めたのは大学の頃だった。 有名書店でバイトをしていたので、本も割引で買えたので、超豪華愛蔵本といわれた 袋綴じ本(9000円位)を集めはじめた。(でも、3巻までしか買っていない。) あとは、カレンダー(ほとんどポスター)、画集を買った。完成版ジグソーパズルをもらった。 いつ見ても、うっとりとするほどの 美しさである。西暦3000年の未来に、もし、古典として2000年の今の文学が残っていたとしたら、 間違いなく、世界に誇れる古典芸術となっているだろう。

「宝塚歌劇」と「源氏物語」・・・ 私にとって、この二つは切っても切れないものに思う。 私が今までに見たことのある唯一の宝塚が「新源氏物語」なのである。 もう10年位前のこと、剣幸さん、涼風真世さんの時代であった。 源氏物語をやるというので初めて宝塚を見に行ったのである。 それまで宝塚にはまったく興味がなかったのに、目の前で繰り広げられる 平安絵巻のあまりの美しさにすっかり魅せられてしまった。 宝塚の素晴らしさにも。(終わってから、出口待ちしちゃうほど・・・) 平安の貴公子はやはり男性には演じられないと思う。 特に、光源氏は。 なぜなら、実在した人物ではないのだから。モデルはいても、光源氏は 紫式部という女性が作りあげた男性なのだから。 勝手な思い込みだってことはわかってるけど。 実際の平安時代の美意識と現代のそれはかなり違う。実際、絵巻を見ても 雅やかさは伝わってくるけど、顔が美しいとは思えないし。 それでも、平安の都、宮中の恋愛絵巻に憧れてしまう。 10年前、宝塚「新源氏物語」を見たときから、いつか再びと願っていたような・・・

1000年の昔のみやびのロマンス「源氏物語」が、「宝塚・あさきゆめみし」として、2000年の今、華麗によみがえる・・・


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