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けふ九重に におひぬるかな
世に逢坂の 関はゆるさじ
人づてならで 言ふよしもがな
あらはれわたる 瀬々の網代木
恋にくちなむ 名こそ惜しけれ
花より他に 知る人もなし
かひなくたたむ 名こそ惜しけれ
恋しかるべき 夜半の月かな
竜田の川の 錦なりけり
いづこも同じ 秋の夕暮れ
芦のまろやに 秋風ぞ吹く
かけじや袖の ぬれもこそすれ
外山の霞 たたずもあらなむ
はげしかれとは 祈らぬものを
あはれ今年の 秋もいぬめり
雲居にまがふ 沖つ白波
われても末に あはむとぞ思ふ
いく夜寝さめぬ 須磨の関守
もれ出づる月の 影のさやけさ
乱れて今朝は ものをこそ思へ